コラム

COLUMN
Vol.12

いまどきの新人の育て方

2022/04/01

4月、新たに新入社員を迎える企業も多いと思います。
我々も新入社員研修、フォロー研修、新入社員受け入れのための育成担当者研修、等々で企業をお伺いします。
その際、人事の方から「最近の新人は指示されたことはしっかりやる方が多いと思う。ただ、すぐに辞めてしまう新人も増えた」とおっしゃる企業が増えました。
何故、今時の新人はせっかく就職した会社ですぐに退職を決意してしまうのでしょうか。

最近の新入社員の傾向として、下記が挙げられます。
・失敗を恐れる、叱られたくない
・言われたことはきちんとやるが、それ以上のことはやらない
・自分で考え、行動することが苦手
・心を開いていない人とのコミュニケーションが苦手(信頼している人の下では高いパフォーマンスを発揮する)等々

ここで重要なポイントは、「失敗を恐れる思考」ではないでしょうか。常に、失敗することを恐れ、人からどう見られているかが気になり、他人の評価を気にしてしまっている新人が多いのです。

しかし今、多くの企業で求められているのは、失敗を恐れずに挑戦し、自律的に成長していく人材です。どうすれば、このように失敗を恐れず挑戦する社員を育てる事ができるでしょうか?
お伺いしている人事担当者や実際の社員インタビューなどから、以下3つのポイントが見えてきました。

1.人の側面に関心を向ける

今時の新人の自律的な行動を引き出すには、「人の側面に関心を向ける」ことをお勧めしたい。新人一人ひとりの強み・価値観・ありたい姿を理解したり、新人の置かれた状況や姿勢を見たりすることだ。彼・彼女らの考えや思いにしっかり耳を傾け、まずは否定せずに理解し尊重する姿勢だ。その姿勢が新人との間に安心と信頼の関係を築くことにつながる。安心と信頼は、新人が自ら一歩踏み出すことにつながっていく。最近の新人の特徴にも記載したように、信頼している人の下では高いパフォーマンスを発揮する。「安心と信頼」が自律性を引き出す最初のキーとなる。

2.適切な業務指示

新人の仕事は上司や育成担当者からの指示から始まります。新人に担当させる業務は単調なものや重要度は高くないことが多かったりします。また、希望の配属先でないこともあると思います。その時、仕事の指示で業務の意義や背景を教えてもらえないと仕事の意味価値がわからずモチベーションが低下しやすかったりします。また、指示が曖昧だと、どこまで何をしたらいいのか?と不安になったり、それを聞くことができずに更に不安になったりと悪循環に陥ることもあります。
仕事のスタートとなる指示は、新入が不安や不満を持たず、意欲的に取り組む状態をつくる指示を出すことが大切になってきます。

3.職場ぐるみで育てる

新人育成は、配属先の上司と育成担当者(OJT担当)によって取り組まれることが多い。しかし、多忙な業務、リモート環境、年齢ギャップ、価値観の違いなどによって、この縦ラインの育成だけでは難しくなっている。職場の同僚や他職場などを巻き込み、面で育成する仕組みを整えることが効果的になる。そのことで、新人にとって上司・育成担当者以外との接点が増え、相談できる相手が見つかったり、幅広い知識や学びが得られたりする可能性が高まる。

新人育成は会社が永続的に成長するためにとても重要です。新人をしっかりと育てることは、現存の社員の育成にもつながる。未来の日本を支える人材育成をこれからも考えていきたいと思います。

Editor Info.

営業統括部長
シニアコンサルタント

瀬尾 晃

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