コラム

COLUMN
Vol.15

オンライン研修の方が学習効果は高い?

2022/07/01

ここ2年間でオンライン研修の講師を100回ほど実施して感じたことです。
当初は「仕方なくオンラインに切り替え」「移動負荷の低減にもなる」という背景でした。しかし最近は、「対面研修よりも、オンライン研修の方が学習効果は高いのではないか」と思うことがあります。
オンライン研修にはコミュニケーション上の制約など、デメリットがあるのは確かです。学習内容によっては、向き・不向きもあるでしょう。
しかし、「移動負荷の低減」のみをメリットにオンライン研修に切り替えるのは、もったいない(本来得られるメリットを享受できない)と思うのです。こう考える理由は以下3点からです。

1.「学び、納得する」要素の高まり
対面研修は、「場の雰囲気」「受講者同士の態度」に良くも悪くも影響を受けます。受講者も「みんなが納得しているようだから、大切なんだろう」と、流されることもあります。
対して、オンライン研修は画面を通じて伝わるコンテンツが全てです。「感じる」ではなく、「学ぶ・納得する」要素が高まります。受講者は周りの反応よりも、自身の理解・納得に集中することができます。
そのためには、講師も「受講者に合わせる」ことよりも、「伝えたいコンテンツを、どのようなスライド、さらにはどのような話し方で伝えるのか」をブラッシュアップしなくてはなりません。
オンライン研修はあからさまに講師のプレゼンテーション力が問われます。しかし、その期待に応えられる講師の学習効果は落ちることなく、逆に高まると考えます。

2.コミュニケーションの機会
オンライン研修では、受講者とのコミュニケーションに制限はあります。しかし、対面研修で十分にコミュニケーションができているかと言えば、一部の受講者とのやり取りを深めているだけで、多くの受講者が置いてけぼりになっていることも多々あります。
オンライン研修では、セッション後にチャットで感想・質問を全員に聞き、理解度を把握するとともに、質問には2WAYを交えて答えます。実は全員に感想が聞けて、受講者も質問をしやすい環境が作りやすいのです。
また講師、受講者共に、互いの顔を見て進行するので、実はその表情から納得度はより伝わったりします。
確かに休憩中の雑談は出来ませんが、コミュニケーションの機会を平等に取り、お互い顔を見ながら丁寧に対話することで、納得度はより高まると考えます。

3.受講者の集中力
「オンライン研修は疲れますね」という声が聞かれます。これは「目や腰が」というのもあるでしょうが、集中して話を聞いているので疲れるのだと思います。
これは良い疲れです。他の受講者の影響を受けずに講師の話を聞き、内省することもしやすいです。また、グループ討議(ブレイクアウトルーム)は周囲のグループに左右されず、集中して議論をすることができます。
講師はメリハリのある運営で、ここぞという時は熱量を高めて伝えることで、より受講者へのインパクトを高めることができます。

以上、述べてきましたが、「オンライン研修は講師がより高いレベルで運営することで、研修効果を維持、さらには向上できる」ということでもあります。
これからも、オンラインならではの質の高い研修を提供していきたいと考えています。

Editor Info.

名古屋支社長
エグゼクティブコンサルタント

西田 直史

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