私はリクルートを卒業後、スタートアップの一人目人事を経験しました。そこでTMSやATSの導入、勤怠ツールのリプレイス、評価制度の設計、各種労務手続きのDX化などを行ってきました。
コンサルタントとして関与しているだけでは見えない、人事実務の大変さ、システムのありがたみや連携が十分でない場合のストレスなどリアルに味わうことができました。
(一例をあげると、勤怠データをcsvで取り込んでデータを取り込み用に整理する作業がストレスでしたが、API連携できるものにリプレイスして、工数を減らした、などの体験です。)
今は人事コンサルタントとしての活動を中心に、スタートアップのHRアドバイザーやエグゼクティブコーチングなどもしているのですが、この人事実務の経験が人事制度設計のコンサルティングの内容にも多分に変化をもたらしています。
それは「システムオリエンテッド」という考え方です。
今までも「人事制度は運用が大事、設計は運用可能性を重視し、どのように評価するのか、面談を行うのか」という思想で丁寧に制度設計をしてきました。
評価者研修の設計・講師としての運用や評価のすり合わせ会議の設計・ファシリテーションまで一貫してご支援してきたのも、この考えに拠っています。
そこに今は、クライアントがどのようなシステム・ツールを使っていて、どのようなステップ・フローで運用していくのかをより意識するようになりました。
また、システム上の制約条件を事前に洗い出し、制度設計においてシステム的に実現可能なステップ・フローを描くようになりました。
さらには、最近ではシステム面での改善やリプレイスに関して、人事制度の思想やポイントを踏まえたアドバイスや改善支援をAIエンジニアの方と協働で行ったりもしています。
(システム連携がうまくできない部分を人事メンバーの手動対応から自動化することなどに取り組んでいます。)
人事を担う方々は、本来攻めの人事(個人の成長や組織の活性化)テーマに注力したい中で、様々な守りの人事(多様な労務実務、給与支給、日々起きる問題対応)テーマにパワーを割かれます。
人事制度で実現したいこと、大事にしたいことをシステム面の制約や運用の煩雑さから形骸化させないためにも、人事諸制度はできるだけシステムとリンクし、省エネ・自動化で運用できることが、人事が攻めのテーマに注力するためにも大事ではないか、そんなことを思いながら日々HRテーマの課題可決に取り組んでおります。