コラム

COLUMN
Vol.26

ジェネレーションギャップ

2023/12/05

先日、世代間の違いについて考えるセミナーに参加し、色々感じ考えさせられたこともあり、ジェネレーションギャップについて考えてみたいと思います。
現代の多様な世代が共に働く職場では、ジェネレーションギャップが避けられません。異なる時代や環境で育ったために生じる価値観やコミュニケーションスタイルのズレは、コミュニケーション等に影響を与える可能性があります。今回はジェネレーションギャップの概要やそして問題の解決ポイントについて考察してみます。

ジェネレーションギャップとは

ジェネレーションギャップは、世代によって生じる価値観、文化、常識、思想のズレを指します。各世代に行われていた教育や社会環境、テクノロジーの進化などの影響を受け、さまざまな形で表れます。

職場でおこるジェネレーションギャップの例

1.電話対応の得意・不得意
過去の世代は固定電話が主流であり、電話対応に慣れ親しんでいます。しかし、若手はスマートフォンやメッセージアプリを通じたコミュニケーションに慣れており、固定電話に抵抗を感じることがあります。

2.報告方法の違い
テキストメッセージや社内チャットを重視する若手と、口頭での報告を好む上司との間には、報告方法に関する認識の違いが生まれやすいです。これがコミュニケーションの課題となります。

3.仕事と私生活の優先度合い
ワーク・ライフ・バランスの重視や終身雇用の崩壊に伴い、若手は仕事よりも私生活を優先する傾向があります。これに対し、昭和世代は組織の都合を優先する価値観を持っています。

4.企業への帰属意識の低下
近年の終身雇用の崩壊により、転職が一般的となり、企業への帰属意識が低下しています。これは、組織内での忠誠心に差が生まれやすい要因となっています。

上記は一般的な例として記載しましたが、これらは「どちらが良い悪い」ではなく、仕事の姿勢などの「当たり前の感覚が違う」ということがジェネレーションギャップであり、衝突の原因になったりします。

■世代ごとの特徴(一般例)

1.バブル世代
1965年~1970年頃に生まれ、昭和の愛社精神を持つ最後の世代。組織へのエンゲージメントが高く、コミュニケーション力がありますが、時折忍耐力や甘えが指摘されることもあります。

2.氷河期世代
私はまさにこの世代ですが、バブル経済の崩壊による就職難を経験。真面目で堅実な傾向がありつつも、就職活動の厳しさから自信を失っている場合もあります。

3.ゆとり世代
ゆとり教育を受けた世代で、幅広い教育を通じて人間性を重視。教育の二極化が生まれるなかで、価値観に多少のギャップが生まれることもあります。

4.さとり世代
不安定な時期や経済の厳しさを経験し、金銭的な裕福さよりも安定した生活を重視。企業やキャリアに対して冷めた目線を持つことが特徴です。

5.Z世代
1990年代~2012年頃に生まれたソーシャルネイティブ。物質的に満ち足りた環境で成長し、社会問題や多様性に関心が高く、現実主義者と言われています。

ご紹介した世代ごとの特徴は、あくまで一般論であり、当然、個人による違いがあります。そのため、「○○世代は△△である」とひとまとめにすることは暴論です。ただ、生まれ育った環境による世代の傾向や常識があることも事実です。これらの特徴は「自分と違う世代を理解する入り口」の一つとしてみていただければと思います。

■ジェネレーションギャップ問題への対処と解決のポイント

ジェネレーションギャップに適切に対処できないと、例えば、上司と部下などの信頼関係の構築に支障が出たりします。ではどうしたらよいか。

まず、「生まれ育った環境が違う以上、常識や価値観の違いは生じるもの」という前提でジェネレーションギャップをとらえ、対応していくことが大切になります。

そして、組織内で大きな影響力を持っている上司が、新しい世代の価値観を理解しようとすることです。相手が行動する理由や背景に関心を持ち、「理解する姿勢」を見せることが大切です。

そうすることで、「自分のことをわかってもらえた・興味を持ってもらえた」などの想いから信頼関係が生まれてくると思います。

ただ、私は今40代ですが、先日参加したセミナーで20代の素直な気持ちや背景を聞いた時に、上記のような知識は持っていたとはいえ「深いところまでは理解できていなかった」と強く感じました。一方、お互いが理解し合おうと本気で思った時に、「一緒に前に進めたい」、「価値観が違うからこそ新しい考えの発見があるかもしれない」とも感じられました。

もちろんコミュニケーションスキルや知識も大切ですが、大前提として「常識や価値観に違いは生じるもの」「理解しようとする姿勢」、つまり「相手に本気で興味関心を持つ」ことが、ジェネレーションギャップによる問題の解決の第一歩になると感じます。

Editor Info.

営業統括部長
シニアコンサルタント

瀬尾 晃

STAFF紹介