コラム

COLUMN
Vol.37

プレイングマネジャーに期待されるマネジメント

2025/02/01

マネジメントの定義は様々ありますが、私は研修で以下のように伝えています。

「部下を活かして成果をあげる」

もちろん、活かすのは「部下」だけではありません。「上司、関係者」さらには「物、金、情報」といったリソースも活用して成果をあげるのがマネジメントです。これは狭い定義です。
ただし、物や金は人が活用することを考えれば、最も重要なのが「人」であり、人の中でもまずは活かしたいのは「部下」です。よって、この定義がマネジメントの“基本”としては分かりやすいと思うのです。

この定義には2つの意味を込めています。
① プレイヤーとマネジャーの一番大きな違いは「成果のあげ方」です。プレイヤー(部下)は自分で成果をあげます。一方、マネジャーは「部下が成果をあげるのを支援する」のが役割です。いわば成果のあげ方が180度異なります。
② さらに「活かす」がポイントです。部下が成果をあげる過程で疲弊する…ではなく、「活躍する、イキイキ」さらには「成長する」が大切です。いわばマネジメントとは、「成果と成長の両立」です。

ここからが本題です。
最近はプイングマネジャー(以下プレマネ)が多いです。プレマネは、「自分の役割はマネジメント:プレイング=50:50」などと考えてしまいがちですが、それは違います。
部下の立場では、上司がプレマネだろうとなかろうと関係ないことです。「自分をいかに応援してくれるか、成長させてくれるか」が求められることに変わりはありません。よって、プレマネはマネジメント責任100に、プレイングが乗っかっている、と言えます。
ただし、プレマネは「プレイングに時間を割く」のは現実です。よって時間的には「マネジメント:プレイング=50:50」はありえます。そうなると、プレマネはよりマネジメントを“効果的・効率的”に行うことで、50の時間で部下を活かす必要があるのです。

日々どのように仕事を任すか、どのように声をかけるか、どのように振り返るか…これら全てがマネジメントであり、その声を受けて部下が前向きになれるかどうかが問われます。
例えば「1件契約を決めた部下」に対して、何と声をかけるかです。「でもあと今月の目標達成まで〇件残っているからね」とプレッシャーをかけるか、「どんな工夫をしたの? どんなアプローチをしたの?・・・すごいねえ! そのアプローチは君の得意技だから、次の契約にも活かせるといいね!」と言うかの違いです。
ちなみに私は、後者を「ヒーローインタビュー」と呼んでおり、成功体験を成長と自信につなげる重要なマネジメント行動と紹介しています。

忙しいプレマネ・・・しかし、日々の関わりの中で「部下を活かして成果をあげる」が実現するように、研修の中で新任マネジャーの奮闘に“ヒーローインタビュー”をする毎日です。

Editor Info.

名古屋支社長
エグゼクティブコンサルタント

西田 直史

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