コラム

COLUMN
Vol.7

中小企業におけるリファラル採用・アルムナイ採用

2022/01/01

コロナ禍の影響で昨年度は新卒採用、中途採用を減らした会社も多かったですが、今年度に入り、新卒さ採用は買い手市場に戻るほどではなく、特に理系は引き続き売り手市場。また中途採用は昨年の反動で一気に採用が戻ってきており、売り手市場に。新卒採用、中途採用共にご相談をいただく機会が非常に増えてきています。
採用の仕事を長く続けていると、採用が多い時期には目の前の業務に追われてなかなか新しいことができない中で、縮小した時期に新しい施策の検討を行うことが起こりがちですが、最近は大手企業だけでなく中小企業様でも、「リファラル採用」や「アルムナイ採用」の相談を頂く機会も増えてきました。
・リファラル採用=英語の「referral」の意味は紹介や推薦のことで、つまりは自社の従業員から紹介・推薦を仕組み化して採用する採用手法
・アルムナイ採用=英語の「alumni」意味は、「卒業生」のことで、定年退職者以外の退職者を指す言葉して使われています。退職後もアルムナイとコンタクトを取り続けて、再雇用する採用手法
特にアルムナイ採用に関しては、外資系企業の日本法人ではもう何十年も前から当たり前に行われていたものの、わずか数年前であれば。この話をすると「会社を辞めた裏切り者を採用したくない」と言われてしまうことが多かった中で、ご相談いただく機会が増えてきただけでも、隔世の感があります。
ただ、採用のご相談ではいつも多いパターンなのですが、どういう仕組みを作ればいいか、どういうツールを使えばいいか、他社の成功事例を知りたいなどのとにかく「How」を知りたいというご相談が非常に多いです。が、実際は自社の現状分析(入社者の定着、活躍分析。退職者分析)、採用要件の見直しなどを先に行うべきであり、またリファラル、アルムナイ共に有効な職種、有効ではない職種もあります。また、リファラルは既存社員にどういうメリットがあるのか。アルムナイは退職時、退職後にどうやって関係性を持ち続け、また数年後に戻ってきた際の等級や処遇をどうするのかなど、採用手法以外に人事施策全般として検討すべきことが多々あります。
特に中小企業だと元々少人数なのに、元々の年齢、等級、報酬の構成が歪だったりする中で、こう言った受け入れの失敗が組織内に不信や混乱をもたらすことも多いですし、そもそも社員の退職理由自体を聞いたり、分かっていなかったり、データ化や分析もできていない中で、また採用だけ強化するということも多いと感じます。
いつもながらですが、流行に流されず、他社事例に影響を受けすぎず、自社にとって何が最適なのかを冷静に考える、「急がば回れ」が大切と改めて思います。でも、やはりHowの提供をしてしまったりもしていますが・・。

Editor Info.

ノイエ・ジール株式会社 代表取締役

中野 宗彦

STAFF紹介