コラム

COLUMN
Vol.9

中小企業における人事データの活用

2022/01/01

HRテクノロジーの進化と共に、人事データの戦略的な活用が注目されています。「HRアナリティクス」など言われますが、中小企業の人事担当者の方の中には、「それは大手企業の人事が行うもの」「最新の分析手法は分からないし、そこまで必要ない」と思っている方も多いのではないでしょうか。
「人事データの活用」には大きく二つの目的があると考えます。
(1) 効率性の追求 
(2) 一人ひとりの活躍支援
(1)は、採用時におけるエントリーシートのジャッジ、活躍者の分析と候補者選出、退職者の予測などが相当します。大勢の中から適切かつ効率的に候補者を選出することがねらいです。
大手企業はこのケースが多いです。多様なデータを準備し、専門的な分析手法を駆使して進めます。
一方、中小企業の人事データの活用は(2)と考えます。「多様なデータ」ではなく「既存のデータ」、「専門的な手法」ではなく「シンプルな見える化」により、「一人ひとりを生かす」ことがねらいです。
例えば、以下のようなマトリクスで、人材をプロットします。縦軸、横軸は目的によって変わりますが、まずは「既にあるデータ」で置いてみます。その結果を見て、「何か言えることは?」と考えればよいのです。
ギャップのある人材は、個人名までさかのぼり、どのような背景があるのか、さらに活躍してもらうためにはどうすればよいかを考えます。一人ひとりの顔と名前、さらには仕事ぶりや経歴までが頭に浮かぶ、中小企業ならではの人事データの活用と言えます。
マトリクス
シンプルすぎて、「これで良いの?」と思う方もいるでしょう。もちろん、その先に様々な分析を行う余地はあるでしょうが、まずは再一歩として試してみてはいかがでしょうか。

Editor Info.

名古屋支社長
エグゼクティブコンサルタント

西田 直史

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